遺言書とエンディングノートのちがい

効力の違い

エンディングノートとは、残された家族に伝えたいことや自分の人生の記録を生前に記しておくものです。
遺言書の場合は、自分が亡くなった後に残した財産をどうしたいかという希望を残すことで、法的に認められていますので被相続人が亡くなった後、遺言に従って分配されます。

対してエンディングノートの場合には、法的な効力はありませんので、遺産について書いたとしてもエンディングノートの通りに遺産が処理されるとは限らないのです。
遺言書もエンディングノートも、自分が亡くなった後にどうなってしまうのかという不安を、生前になくしておくという点では同じ役割となります。
ただし、遺言書であっても、定められた書き方をしていない場合は無効となってしまうケースもありますので、費用はかかりますが、公正証書遺言にしておくことがお勧めです。

公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、公証役場にて証人2人に立ち会ってもらい、公証人が作成する遺言書のことです。
公証人の面前で、立会いのもと遺言者が後述する内容を文章化してもらう方法ですので、最も確実な遺言書の作成方法と言えます。
エンディングノートの場合は、法的な効力はありませんが、書き方も自由となっていますので、自分の希望、願い、考え等を好きに書き留めることが可能です。
財産をはじめ、希望の葬儀の方法や供養の仕方、延命治療に対する思い等も書いておくことができます。

近年、終活という言葉が認知されるようになってから、エンディングノートについての話題も増えましたが、遺言書と一緒に組み合わせて活用するケースも増えているようです。
例えば、財産についてはきちんとした遺言書にまとめ、葬儀や供養、自らの意思で判断ができなくなった場合の延命治療の希望等をエンディングノートで伝えるという方法です。
エンディングノートはどんな仕様で書いても問題はなく、現在では市販のエンディングノートが販売されていますので利用もできます。

自筆にしても公正証書遺言にしても、遺言できる内容には限界がありますので、遺言に残せない内容についてはエンディングノートを利用することをお勧めします。
遺産トラブルや遺された家族の負担を軽減する為にも、生前によく話し合っておくことが大切です。

遺言書とエンディングノートの各メリット

遺言書の大きなメリットはやはり法的な根拠があるという点であり、相続人が揉めることなく財産を相続させることができる有効な手段であることです。
対してエンディングノートの場合は、書式等にこだわる必要なく好きに書き進めていける点で、書いているうちに気持ちの整理ができたり、新たな問題点の発見にも繋がります。
遺された人への愛情表現でもあり、様々な手続きの負担を軽減できますし、希望する最期を迎える方法を細かく記しておくことができることも大きなメリットです。