遺言は何でも聞かないといけないわけではない?
故人の最後の遺志である、遺言。
遺された遺族は出来るだけ本人の遺志を尊重したいと考えている方も多いかと思いますが、あまりにも無茶な注文を付けられた場合、当然ながら、遺言のその部分は無効になります。
あくまで遺言は、法律的に認められている部分のみ、法的拘束力がありますので、何でもいう事を聞かないといけないというわけではないという事を、頭に入れておきましょう。
例えば、自分が死んだら、○○さんと結婚しなさいというような事柄や、○○は一切敷居を跨がせるなというような拘束力がない事柄も、無効になるのです。
これらの場合はあくまで、法的拘束力がない、お願いという形になりますので、わざわざ書いても無駄になる可能性もあるでしょう。
あまりにも遺族を困らせるような遺言の場合は、ご遺族のためにも、出来れば遺言として残さない配慮をすることをおすすめします。
遺言は動画や音声では無効になる
遺言として法的拘束力があるのは、あくまで文書に、正式な方法で記載をされている場合のみになります。
近年増えている、動画や音声で遺言を残すという方法は、原則として認められていませんので、遺言として遺すことはおすすめできないでしょう。
遺言として効力を持つかどうかは、非常に厳しい条件の下で決められています。
一定の条件を満たしていないと、遺言として認められず、故人の遺志が全く反映されないケースが多いため、十分注意が必要です。
遺言としての効力を持たない遺言は争いの種になる
自分自身は遺言をきちんと残したつもりでも、遺言書としての拘束力のない遺言書を作成した場合。
法的拘束力がない分、ご遺族が争いを引き起こしてしまう原因に繋がる恐れがあるでしょう。
兄弟がいる場合は特に、お子さん同士が醜い争いをして、縁を切るような事態に陥ることも少なくありません。
ご遺族が揉めて絶縁というような事態にならないためにも、遺言作成をする際には必ず、効力があるかどうかを確認して作成する必要が在ります。
自力で作成をした遺言書の場合は、ちょっとしたミスで無効となる可能性がありますので、必ずプロに一読してもらって、判断をしてもらってください。
また、遺言書作成の際には、作成の方法が問題になることもあります。
パソコンなどのデジタルで作成された遺言書などの場合も、無効となるケースがほとんどですので、十分注意をしてください。
遺言書作成は、自分の人生において最後の大仕事となると言えます。
遺産がある程度遺っている場合は特に、遺族に迷惑をかけないように、キチンと整理をしてから旅立つことが出来るよう、様々な面で配慮をすることが重要です。