よくある相続のトラブル

相続人が決まらず家族でトラブルになることも

遺言書が無い場合で、相続人が複数人要る場合は特に、誰がどの遺産を相続するのか、誰がいくらもらうのかなどに揉めて、大きなトラブルに繋がることが少なくありません。

いわゆる骨肉の争いで、今まで仲の良かった家族でも、このトラブルが原因で、今後絶縁するという事態に陥ることも多いのです。故人の遺志とは裏腹に、そのようなさみしい状態になることは避けたいので、遺言書が無い場合は、冷静に話し合いを進めるように心がけましょう。

また、遺言書がある場合でも、内容によっては、残念ながらトラブルに繋がることが多くあります。なぜ自分が不動産を譲ってもらえないのか、なぜこの財産をあいつが譲り受けるのかなど、兄弟間で喧嘩が起きることも少なくないでしょう。ただの兄弟喧嘩とはわけが違いますので、遺言書がある場合は、本人が亡くなる前に、出来れば遺書を残して、一人一人にメッセージを遺しましょう。

何故その遺産を残したのか、などが、遺書によって本人たちに伝われば、トラブルなく遺産相続に移れる可能性が高くなります。

相続をした結果、多額の借金を背負うことに

遺産相続と聞くと、故人の財産をもらえる分、自分の財産が増えると考えている方は少なくありません。

もちろん大抵の場合はそうなることがほとんどですが、遺産の金額や、遺産の内容によっては、多額の借金を背負わないといけなくなるケースもあるでしょう。

故人がもともと借金やローンがある場合は、その支払い義務も一緒に相続をしないといけません。限定承認のように、一部の相続を認める手続きをすれば話が別ですが、何も考えずに相続をすると、大変な目にある可能性があります。必ず遺産の内容を全て洗い出したうえで、相続をするか否かを決めることが重要です。

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価値の高い遺品の整理

相続人が決まり、無事に遺産相続も円満に終わったと思った後で、故人の遺品整理の際に価値の高い品物が見つかるケースがたまにあります。

実際、預金や不動産のように解りやすい財産であれば相続がしやすいのですが、美術品や絵画、調度品、ビンテージの自動車といった類のものは、死後になってから価値が判明することも少なくありません。こうなると、たとえ相続を放棄した遺族であっても、後々揉める可能性が高くなります。莫大な遺産が後になって出てきたとなれば無理のない話でしょう。

おまけに、たとえ遺産相続の手続き中に価値の高い品物が見つかったとしても、美術品や絵画、調度品の類では上手に分配することもできず、円満解決をさらに難しくしています。

こういったイザコザを防ぐためには、生前に遺品整理をしっかりと行うことと、遺品の価値を見極めておくことが不可欠です。例えば、美術品や絵画、調度品であれば専門の鑑定業者が存在しますし、売却して現金にできれば遺産として分配がしやすくなります。そういった意味では、終活をしっかりと行っておくことで、遺品整理の際のトラブルを回避しやすくなるでしょう。

相続内容をよく確認して、相続がプラスになるのかの判断をしましょう

相続をする際には安易に相続を決めずに、相続することが自分にとってプラスになるのかを考えたうえで、相続を行いましょう。

多額の相続税に支払いに追われて、結果として生活が苦しくなったというのでは意味がありません。遺産を残す際には、生前贈与などを始め、相続税対策をしておくことが、遺族のためとなります。財産分割でトラブルにならないように、事前に遺書を作成したり、本人たちを含めて話合いをしてくことも一つの方法です。

また、故人の財産を家族ではなく、全て寄付するというような方もいるかもしれません。それはそれでまたトラブルが発生する可能性が高いため、よく家族で話し合いを進めたうえで、財産に関してのトラブルが無いように、色々と相談をすることが大切になります。